多様なウィルス

カンジダは水虫(白癬)や癜風などと同じく、真菌と呼ばれるカビの仲間によって引き起こされる皮膚疾患です。高温多湿な環境を好み、人間をはじめとする動物に寄生して皮膚組織内に含まれるタンパク質・ケラチンを摂取しながら増殖を繰り返します。原因菌がケラチンを摂取することにより、肌荒れや皮膚のはがれ・かゆみといった症状が発生するという仕組みです。

カンジダ症は、感染部位によって少しずつ症状が異なります。まずよく見られるものとして、関節部分など皮膚がこすれ合う間擦部位への感染が挙げられます。通常は赤く鮮やかな発疹が見られ、皮膚の破綻が見られることが特徴です。発疹の縁には小さい膿疱が生じることもあり、強いかゆみや刺激痛を伴います。間擦部分の中でも肛門の周囲に発生する場合は、かゆみだけでなく皮がむけて白もしくは赤色に変色するといった症状が見られます。

腟カンジダ症(外陰腟炎)は、特に多く見られる症例です。妊婦や糖尿病患者、皮膚に対して抗菌薬を服用している人に発症しやすくなります。白色もしくは黄色のチーズ状のおりものに加えて、腟壁と腟の周辺部位の熱感やかゆみなどの症状が特徴です。

反対に男性に多く現れるのは、陰茎カンジダ症です。糖尿病患者もしくは包皮切除を受けていない人、セックスパートナーである女性が腟カンジダ症に罹患しているケースに発症例が多く見受けられます。一般的には亀頭部分に赤い発疹や皮膚の荒れ、かゆみ・痛みや熱感などが症状の特徴です。

口の中や舌にクリーム状の白い斑が見られたら、カンジダ症の一種である鵞口瘡の疑いがあります。白い斑点は痛みを伴うこともあり、免疫系の機能が低下している時に見られることが多いです。まれに糖尿病やがん、HIV(ヒト免疫不全ウイルス感染症)が原因となっている可能性もあります。口の内側ではなく外側にあたる、口角びらんもカンジダ症の一種です。唇の両端もしくは片側に、ひび割れや小さな裂傷が発生します。親指をしゃぶったり唇をなめる癖がある人や入れ歯がマッチしていないケースなど、口角が常に湿っており菌が繁殖しやすい環境になっていると発症します。

爪の周辺や甘皮部分に発症したら、カンジダ性爪囲炎の可能性が高いです。周囲の皮膚が赤くなって腫れたり、痛みを伴うのが主な症状です。治療せず放置すると爪の下が白色もしくは黄色に変色して、爪の甲が皮膚よりはがれることもあります。免疫系統の機能が低下している場合によく見られるものであり、慢性皮膚粘膜カンジダ症も同様の状態でよく発症します。赤くなって膿が溜まり、厚みのある発疹が発生するのが特徴です。